ハンガリーで承認されている医薬品の製品概要や患者向けのリーフレットを調べる方法について概説します。
ハンガリーにおいて、医薬品の承認審査を規制する行政組織はOrszágos Gyógyszerészeti és Élelmezés-egészségügyi Intézet(OGYÉI)になります。
ウェブサイト全体が当然ながらハンガリー語で作られているため、ハンガリー語が分かる人でないと見る機会はないかもしれません。
ハンガリーで承認されている医薬品の多くがEMAの中央審査方式で審査され承認されているため、EMAのウェブサイトで情報を見つけることができる医薬品の場合は、EMAのウェブサイトから調べた方が英語で情報が得られるため、多くの日本人にとっては有益なのではないかと思います。
ただ、EMAの中央審査方式で承認された医薬品でなかったり、ハンガリーの規制当局独自に承認されている医薬品もあるため、そのような場合はOGYÉIのウェブサイトから情報を得ることになります。
OGYÉIのウェブサイトの中に、医薬品の検索ができるページがありますので、そこから医薬品を検索しましょう。
検索画面は以下のような感じです。
検索で利用することが高そうな項目の日本語訳を付けておきます。
フリーワード検索では、複数の用語をカンマ区切りで検索することができます。
下部のチェックボックスは「乳糖が含まれているか?」「グルテンが含まれているか?」といった絞り込み用のチェックボックスとなっています。
成分名での検索ではプルダウンになっているのですが、開いてみると薬剤師であれば見慣れた薬が見慣れた表現で並んでいるので、非常に検索しやすいのではないかと思います。
一般の方にとっても、成分名の英名を調べることさえできれば、ここから選択できると思います。
それでは上の成分名一覧で選択している抗HIV薬の「アバカビル」(abacavir)で検索してみます。
項目「Hatóanyag」に「abacavir」を選択した状態で、下の青いボタンを押下します。
すると、検索結果が下部に一覧で表示されます。
ここでは上から3つめのテバ社の「ABACAVIR/LAMIVUDINE TEVA 600 mg/300 mg filmtabletta」を選択してみます。
該当する行の右端の矢印を押下します。
選択した薬剤の詳細が表示されます。
上から、登録番号、成分名(アバカビルとラミブジンの合剤)、ATCコード、販売企業などの情報が並んでおり、その下に、患者向け説明文書(PIL:Patient information leaflets)、製品概要(SPC:Summary of product characteristics)、外装表示につながるリンクがあります。
この医薬品では、3つのファイルともワードファイルとしてダウンロードされましたが、EMAの中央審査方式で承認された医薬品の場合だと、EMAのウェブサイトのEPAR(European public assessment reports:公開用評価レポート)のoverviewファイル(pdf)へのリンクが貼られている場合もあります。
また、先ほどの画面の中段には、代替可能な医薬品のリストも掲載されており、ハンガリーの医薬品検索サイトは非常に使いやすい設計だと感じました。