スイスで承認されている医薬品の添付文書や患者向けのリーフレットを調べる方法について概説します。
スイスにおいて、医薬品の承認審査を規制する行政組織はSwissmedicになります。
このSwissmedicのウェブサイトからリンクが貼られているのですが、Refdata(https://www.swissmedicinfo.ch/)という公的な色合いの強い財団により医薬品の情報を検索できるページが用意されているので、そこから検索してみましょう。
非常にシンプルな検索画面が表示されます。
右上に、ドイツ語とフランス語とイタリア語と英語で切り替えができるようになっています。
ここでは英語表示になるようにしております。
上下に並んだプルダウンのうち、上側のプルダウン(上の画像の左側)からは検索する対象を選択でき、製品名、成分名、ATCコード、製造販売企業、全文検索(添付文書および患者向け説明文書)、から選択できます。
下側のプルダウン(上の画像の右側)は検索時のマッチングパターンを選択することができ、先頭一致、部分一致、完全一致から選択できます。
プルダウンの下に「Language of texts」とありますが、ここでは「DE」を選択しておいてください。
では、試しに抗うつ薬のパロキセチン(paroxetine)を検索してみます。
成分名(Active pharmaceutical ingredient)、先頭一致(Start with)として、検索窓に「parox」と入力して
「Search」を押下します。
すると、該当する薬剤が表示されました。
画面左側の結果が、医療専門家用の情報(添付文書や製品概要にあたる文書)であり、画面右側が患者向け説明文書となっています。
試しに左側一番上の「Deroxat Filmtabletten/Suspension」を押下してみますと、以下のようにHTMLで添付文書が表示されます。
ドイツ語で表示されましたが、これは「Language of texts」で「DE」を選択していたからです。
上で『プルダウンの下に「Language of texts」とありますが、「DE」を選択しておいてください』と書いたのは、ドイツ語での説明文書は多い一方、英語での説明文書はほとんど見当たらないからです。
スイスで使われているメジャーな言語の方が検索される結果が多くなるのだと思います。
実際、成分名=「parox」を先頭一致として、ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語で比較してみたところ、検索して表示される製品概要および患者向け説明文書のそれぞれの数は、ドイツ語で5:5、フランス語で5:5、イタリア語で0:5、英語は0:0でした。
よって、「Language of texts」はドイツ語かフランス語を選択するのが良いと思います。
「parox」で表示された成分名が「paroxetine」ではなく「paroxetin」となっていることにも注意です。
イタリア語では「paroxetina」でしたが、語尾が微妙に変化するのはドイツ語も同じようです。
知らずに「paroxetine」と入力していたら、見つけられないところでした。