ノルウェーで承認されている医薬品の製品概要や患者向けのリーフレットを調べる方法について概説します。
ノルウェーにおいて、医薬品の承認審査を規制する行政組織はLegemiddelverketになります。
ウェブサイト全体が当然ながらノルウェー語で作られているため、ノルウェー語が分かる人でないと見る機会はないかもしれません。
ノルウェーで承認されている医薬品の多くがEMAの中央審査方式で審査され承認されているため、EMAのウェブサイトで情報を見つけることができる医薬品の場合は、EMAのウェブサイトから調べた方が英語で情報が得られるため、多くの日本人にとっては有益なのではないかと思います。
ただ、EMAの中央審査方式で承認された医薬品でなかったり、ノルウェーの規制当局独自に承認されている医薬品もあるため、そのような場合はLegemiddelverketのウェブサイトから情報を得ることになります。
Legemiddelverketのウェブサイトの中に、医薬品の検索ができるページがありますので、そこから医薬品を検索しましょう。
検索画面は以下のような感じです。
検索条件の設定項目は沢山ありますが、デフォルトでチェックのままで、通常の検索では大丈夫です。
また、画面右上の部分から、商品名の先頭一致や、疾患領域から、目的とする医薬品を検索することもできます。
ここでは検索窓からの検索を試してみます。
上部の検索窓に商品名、一般名、販売会社名、ATCコードなどを入力することで、医薬品の検索が可能です。
まずは、抗がん剤のオプジーボ(opdivo)を検索してみます。
オプジーボはEMAでの中央審査方式で承認された医薬品ですので、EMAのサイトからも検索できますが、このLegemiddelverketのサイトからも検索できます。
検索窓に「opdivo」と入力して検索を実施します。
すると、以下のような結果が、画面下部に表示されます。
ここで検索された「Opdivo」を押下すると、詳細画面に移動します。
「Pakningsvedlegg」を押下することで、患者向け説明文書を閲覧できる画面に移動します。
また、「Preparatomtale (SPC)」を押下することで製品概要を閲覧できるページに移動します。この移動先はEMAのEPAR(European Public Assessment Report:公表用評価レポート)のoverviewのノルウェー語のページとなっています。
次に、抗うつ薬のパロキセチン「paroxetine」を検索してみます。
下部に検索結果が表示されます。
ここではGSKの「Seroxat」を押下してみます。
製品概要(Preparatomtale (SPC))を見てみます。
先ほどはEMAのEPARのページにリンクされていましたが、今回はLegemiddelverketのサイト内のファイルにリンクされていました。
それは、この医薬品がEMAの中央審査方式で承認されたものではなかったからです。
Legemiddelverketのサイトでは、このようにEMAの中央審査方式で承認されたものも、そうでないものも同時に検索できますし、ここでは紹介しませんでしたが、薬価や保険償還の状況も確認することができるので、非常に有益なサイトだと思います。