フィンランドで承認されている医薬品の添付文書や製品概要を調べる方法について概説します。
フィンランドにおいて、医薬品の承認審査を含む薬事規制を担当する行政組織はFimeaになります。
このサイトは、フィンランド語(Suomi)だけでなく、英語とスウェーデン語(Svenska)にも対応しているため、英語が分かる人であれば難なく利用できると思います。
英語の表示にしてみましょう。
左のメニューバーや中央の絵のある部分が英語になっているのがお分かりいただけると思います。
それでは英語表示で進めていきます。
左のメニューの上から3つめに「Databases and registers」とありますので、こちらを押下します。
すると、このような医薬品を検索できるページが表示されます。
ここで、フィンランドで販売承認されている全てのヒト用医薬品と動物用医薬品の両方が検索できることが説明されています。
少し画面を下に行くと、非常にシンプルな検索画面があります。
上段のプルダウンを広げてみると、検索する薬剤の区分のフィルターになっていることが分かります。
初期設定では、ヒト用の医薬品であり、販売承認されているOTCと処方薬について検索し、動物薬や販売中止された薬剤については検索対象から外すようになっています。
通常はこの設定のままで良いでしょう。
中段の検索窓に検索ワードを入力するのですが、商品名、成分名、製造販売企業名、ATCコードで検索することができます。
下段のチェックボックスは、検索結果を、高齢者(75歳以上)への服用が適切と知られている医薬品だけに絞りたい場合にチェックを入れてください。
それではまず、抗がん剤のオプジーボ(opdivo)を検索してみます。
中段の検索窓に「opdivo」と入力し、「Search」を押下します。
上記のような結果が表示されました。
横長のテーブルで、一部画面が切れているため分かりにくいですが、「商品名」「用量」「剤形」「販売状況(Avilabilityを意訳)」「販売承認企業名」「成分名」の6つの項目が並んでいます。
この表示項目は、表の上の「Choose colums」から減らしたり増やしたりすることができます。
デフォルトで上記の6項目がチェックされているため、上のような表が表示されていましたが、チェックを変えることで、表に表示される項目を変更することができます。
ためしに、「Package size」にチェックを付けてみます。
表の一番右に「Package size」が追加されます。
それでは次に、Availability(販売状況)が唯一「Marketed」となっている、上から2つめの行を選択してみます。
すると、その製品に関する多くの情報が表示されました。
添付文書と製品概要のそれぞれについて、フィンランド語とスウェーデン語の両方のリンクが用意されています。
このリンク先はEMAのウェブサイトに飛んでおり、EMAにあるOpdivoのフィンランド語とスウェーデン語のそれぞれの添付文書(Package Leaflet)と製品概要(Product Characteristic)のPDFファイルにリンクされています。
例えば、Package Leaflet(フィンランド語)を押下すると、開いたページのURLは以下のようになっています。
次に、抗うつ薬のパロキセチン(Paroxetine)を検索してみます。
以下のような結果が表示されました。
先発品である商品名「Seroxat」の行を選択してみます。
Opdivoの時と同様に詳細情報が表示されましたが、Package Leaflet(添付文書)とProduct Characteristics(製品概要)のリンクの表示が異なっています。
このリンク先を押下すると、フィンランド語でのPackage LeafletとProduct Characteristicsが表示されます。
Paroxetineのリンク先がEMAのファイルではないのは、ParoxetineがEMAの中央審査方式で承認された医薬品ではないからです。
このように、Fimeaのサイトからは、EMAの中央審査方式で承認された医薬品と、そうでないフィンランドの規制当局によって承認された医薬品を同時に検索することができます。