スウェーデンで承認されている医薬品の製品概要や患者向けのリーフレットを調べる方法について概説します。
スウェーデンにおいて、医薬品の承認審査を規制する行政組織はLäkemedelsverketになります。
ウェブサイト全体が当然ながらスウェーデン語で作られているため、スウェーデン語が分かる人でないと見る機会はないかもしれません。
スウェーデンで承認されている医薬品の多くがEMAの中央審査方式で審査され承認されているため、EMAのウェブサイトで情報を見つけることができる医薬品の場合は、EMAのウェブサイトから調べた方が英語で情報が得られるため、多くの日本人にとっては有益なのではないかと思います。
ただ、EMAの中央審査方式で承認された医薬品でなかったり、スウェーデンの規制当局独自に承認されている医薬品もあるため、そのような場合はLäkemedelsverketのウェブサイトから情報を得ることになります。
Läkemedelsverketのウェブサイトの中に、医薬品の検索ができるページがありますので、そこから医薬品を検索しましょう。
検索画面は以下のような感じです。
シンプルな検索画面で、商品名、成分名を中心に検索可能です。
検索条件を追加することは可能ですが、日本では使われない辞書(Snomed-CTやCAS番号など)での検索となるので、気にしなくて良いです。
それでは試しに、抗うつ薬のパロキセチン(paroxetine)を検索してみます。
成分名(Innehåller substans)の検索窓に「paroxetine」と入力すると、候補となる医薬品が表示されますが、ここでは「paroxetine」のまま検索ボタンを押下します。
検索画面の下に、検索結果が表示されました。
どれでも良いのですが、ここでは一番上の「Parocetan」を選んでみます。
「Parocetan」という商品名のリンクを押下すると詳細画面に遷移します。
「Parocetan」の詳細情報が表示されますが「Dokument」という枠の中に、患者向け説明文書と製品概要へのリンクがあります。
リンクを押下することで、該当する文書を閲覧することができます。
中央審査方式で承認された医薬品の場合では、先ほどのように患者向け説明文書と製品概要のそれぞれのPDFのリンクは表示されず、EMAのサイトに存在する該当する医薬品のEPAR(European public assessment report:公開用の評価レポート)のoverviewにリンクされている場合もあります。
EPARの最初の方に製品概要が、最後の方に患者向け説明文書が含まれています。
また、患者向けの説明文書を調べたい場合は、FASSという別のデータベースが使いやすいです。
こちらはスウェーデンの規制当局や製薬業界、医薬品給付委員会、大学などが協力して運営されているスウェーデンの医薬品集(フォーミュラリ)のデータベースです。
中央にある検索窓に商品名、成分名、または疾患名を入力することで、薬剤検索ができます。
情報量がリッチなので、患者向け説明文書を探す場合は、こちらを利用した方が使いやすいかもしれません。