GDPRのお勉強(第1条:対象事項及び目的)

GDPR
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 それではGDPRの第1条を見てみます。

第1条:対象事項及び目的

1. 規則は、個人データの取扱いと関連する自然人の保護に関する規定及び個人データの自由な移動に関する規定を定める。

 GDPRの法律の正式名称の前半の「the protection of natural persons with regard to the processing of personal data and on the free movement of such data」とほぼ一致した文章のままであり、ここでは法律の主目的を述べていることが分かります。
 なお、法律の正式名の後半の「and repealing Directive 95/46/EC」とは、GDPRが規則になる前にEUで施行されていた指令(Directive)のことであり、このGDPRに置き換える形で廃止しますよ、という趣旨です。
 個人情報保護委員会の仮訳では、法律名の中にある「the free movement」という部分を「自由な移転」と訳していますが、第1条では「自由な移動」と訳しています。日本語訳を変えていることに意味があるのかは分かりませんが、私見では意味はないと思っています。

 なお、「自然人」という言葉が今後もよく出てきますが、ごく簡単に別の言葉に置き換えると「生きている人間」という意味です(法人は含まれない)。
 このように、GDPRでは生きている人だけが対象ですが、EUの加盟国は独自に死者の個人データの取扱いに関して規定することができることになっていますので注意が必要です(前文27)。

2. 本規則は、自然人の基本的な権利及び自由、並びに、特に、自然人の個人データの保護の権利を保護する。

 第1項の前半、すなわち「個人データの取扱いと関連する自然人の保護」について、少し詳しく書いた感じでしょうか。

3. EU 域内における個人データの自由な移動は、個人データの取扱いと関連する自然人の保護と関係する理由のゆえに制限されることも禁止されることもない。

 こちらは第1項の後半、すなわち「個人データの自由な移動」について、少し詳しく書いた感じのように思います。

 以上から、第1条で規定している法の対象と目的は、「生きている人」の個人データの取扱いと関連する自然人の保護に関する規定及び個人データの自由な移動に関する規定をしているものですよ、ということぐらいの理解をしております。


 以上、ここではGDPRの1条を見てきました。
 今回は医療データや治験データに特化した内容はありませんでしたが、今後関係する情報を見つけたら更新していきます。

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